第14話  火の字(説明)

(BS隊  円城寺 守)

2002/06/15 作成


 前回紹介した「火」のつく字は、もちろん、火に関係したあるいはそれに由来

したものだ。よく知られているように、日本の漢字は中国から渡来したものだが、

もともと物の形などを中心に簡略化、記号化されたもので、その起こりの文字を

「象形文字」と言っている。ここが、われわれの使っている漢字と、たとえば西

洋のアルファベットとの大きな違いだ。

 今回示した「火」という文字は、たき火の燃え盛る

様子から生まれたもので、川や山と同じようにたいへ

ん分かりやすい。古代の大陸の人達が、夕べの一時、

なんとか今日も食事にありつけて、森にこだまする獣

の遠吠えに不安を抱きつつも、明日の行動を相談して

いるときに、合図の方法の打ち合わせに、ふと目の前

のたき火を見ながら、思いついた様子が目に浮かぶ。

 こんな風にして「火」という文字が生まれた。燃え

広がった、文字の火はそのほかの記号と合体して、新

たな文字を生みだしていく。火のそばに物を置いたり、

火の上に物を載せたりして、もっと複雑な字が生まれた。中には、火とあまり関

係なさそうなものもあり、また、回りくどいものもあるが、人類の初期の通信方

法の一つとして、われわれにはたいそう興味深い。諸君の通信方法である、手紙

や本もこの経過がなかったら誕生しなかったことになる。

 火に関連した文字としては、「然」連火(れんが)という部首をもつものがあ

る。これも、火に関係した象形文字で、両者の違いや歴史をみてみるのも面白い

が、ここでは、紙面の都合で省略した。最近のワープロ作業に使う辞書には、こ

れが部首として出ていないケースが多い。言葉は生きている。

 前の回、見慣れない文字もたくさん出ていて、面喰らったかもしれない。しか

し、文字や言葉は、人類の貴重な財産でもある。いろいろと知って、さらに楽し

いスカウティングになるよう活かしてみよう。

(平成7年1月号)

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