第23話  火の歌

(BS隊  円城寺 守)

2002/09/08 作成


 君たちの持っている「ボーイスカウト歌集」から火の歌を探してみた。そこに収

録されている160曲の歌のうち、ジャンボリーの歌とジャングルのおどり、それにハ

ンガリー語などのため意味が分らないものを除いた106曲の中から、火に直接関係す

る言葉が入っているものを選び出した。その結果、歌の題名に入っているものが7

曲、また歌詞の中に入っているものが19曲あることが分かった。あわせて26曲(約

25%)が火に関係した歌ということになる。他の分野との比較は容易には出来ない

が、それでもこの歌集には火に関する歌が圧倒的に多いといってよい。

 タイトルに火が入っている歌は、「火を絶や

すな」「営火の祈り」「かがり火」「月下の営

火」「キャンプファイヤ」「名残りの営火」

「別れの営火」だ。また、歌詞の中に入ってい

る火には、「かがり火」「ほだ火」というのが

多い。篝火(かがりび)にしても榾火(ほだび)

にしても、どちらかといえば、つましい火の燃

やしかたで、われわれには、親しみを覚えるも

のだ。スカウトヤーンの時など大きな火よりも

小さな火の方が効果的だ。

 矢島(1991)は、この歌集に含まれているフランスの古曲「一日の終り」が生ま

れた経緯を説明している。そしてその曲から「燃えろよ燃えろよ炎よ燃えろ」とい

う歌詞の歌が生まれたことに対して、これが「無神経な野外活動」の産物で、「計

画以前にボツにしなければならない」と、激しく憤慨している(スカウティング、

No.456, 30-33 )。

 しかし、‥‥である。火の取り扱いやその考え方は、それほど単純なものではな

い。薪を燃やして飯盒を火で包んでやれば、ふっくらとした美味しい飯を炊くこと

が出来る。大きなキャンプファイヤをすれば気宇壮大になること請合いだ。キャン

プで使用する枯れ木に生息する生物体の総量は確かに多いが、かといってそれは人

手が加わらない場合の変化幅内にあって量的本質に迫り得ない、という計算もある。

物事にはいつも多面性があるし、立場や相手によって、対応が変り得るものなのだ。

 もとより、火については、かの割り箸論議から、地球温暖化の問題まで、BS活

動でも考えなければならないことが多い。野外でも、いつも問題意識をもって行動

する必要がある。しかし、同時に多面的なものの見方と豊かな見識をもつようにし

よう。これまでも何回か触れてきたように、近年はやりの「エコヒステリー」に陥

ってはならない。「環境保全のためには、スカウティングをやらないのが最も良い」

という結論を導かぬよう気をつけたいものだ。

(平成7年10月号)

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